コラム

Food EXPO Kyushu<国内外食品商談会>S会議 会議録(前編)

2014年から毎年10月に開催しているFood EXPO Kyushu<国内外食品商談会>。5年目となる2018年は新たな取り組みとして、海外の食品業界の最新情報を収集し、出展企業のマーケティングに活用するため「S(スペシャル)会議」と題した、海外各地で事業展開する4名のバイヤーと海外に向けた販路拡大に取り組む出展企業2社による意見交換の場を設けました。
海外バイヤーからは各地の市場動向やトレンドなどが、出展者からは海外展開における独自の工夫などが語られた後、一般の聴講者を交え質疑応答などが行われました。
 

君島 英樹氏


バイヤー/中国
日本食ブームで日本酒や醤油などに商機あり

鈴渓(天津)国際貿易 君島 英樹氏

今、中国で人気が高まっているのが日本酒。上海、北京、天津などに加え、長沙など日本になじみのないが何百万人が住む都市でも日本食レストランが増え、日本酒への関心が高まっている。
2018年、農林水産省の補助事業で日本清酒品評会「SAKE-China」を北京で開催した。SNSなどで募集した800人が参加し、日本酒の試飲と評価をしたところ、世界の食品トレンドを反映し、甘口系の酒が人気を集める結果になった。

世界的に日本食=日本酒という潮流がある今、日本酒をたたき台に醤油などの需要も喚起できる。各種補助金も充実しており、出展者の皆さんで海外展開を進めていただけたらと思う。

 

幅野 修平氏

バイヤー/タイ
多彩な食品に使われる一次加工原料が注目株

ダイショータイランド 幅野 修平氏

タイの最近の傾向として、現地の飲料や菓子・水産加工などのメーカーやパン店で使用する一次加工原料、農産加工品、水産加工品の需要が高まっている。
一例として弊社がタイで販売している熊本の「万次郎かぼちゃ」をペースト状にした商品はタルトやケーキ、パンなど様々な食品に使用できる。

輸送コストなどを考慮すると、菓子や加工品は日本の質の高い農産加工品や一次加工原料を現地のニーズや嗜好に合わせて現地で商品化することが求められてくるだろう。お茶のクオーター枠(取引制限枠)が2018年に法制度の変更があり2017年対比ベースで約10倍輸入できるようになった。原材料としての高品質のお茶のニーズが高まっている。

 

青木 智氏

バイヤー/イギリス
「ヘルシー」と「和のフレーバー」がキーワード~

ジャパンセンターグループ 青木 智氏

弊社はロンドンの中心街にあり、菓子やソフトドリンク、インスタントラーメンなどが売れ筋。その一方で輸入規制が厳しいことや、イギリスは日本から距離があるため賞味期限が重要なポイントになる。
日本各地の物産展を継続開催しているが、健康志向を反映しこんにゃく加工品など低カロリー商品の売り上げも非常に伸びている。今後もヘルシーな食品の人気は高まるだろう。

 併せて、世界的な動向だとは思うが、ワサビや抹茶・ユズといったフレーバー商品も加工食品の中ではかなり人気だ。イギリスはEUからの離脱問題に直面しているが、しばらくはEUと同一制度のまま輸出ができる見通しだ。

 

バイヤー/ベトナム
ないことを強みに発展しつつある国・ベトナム

ニャットアイン・トレーディング・プライベート・エンタープライズ 安田 佳朗氏

ベトナムの人口は現在約9,400万人。今後10年以内に1億人を突破する見込みだ。この豊富な消費力を狙い弊社が携わっている菓子は、日本だけでなく中国やマレーシア、インドネシアなどからも売り込みが激しい。しかも日本並みのクオリティーの高い商品を安く持って来る。日本国内の同業他社でなくアジアをまたいだ競争が始まりつつある。今後の消費を担う2000年代に社会人になった「ミレニアル世代」は日本商品が絶対ではなくワン・オブ・ゼムという点もネックだ。

途上国全般にいえるが、ベトナムは日本などと違い、現在あまり規制がない。例えばある民間企業と交通や流通を管理するような役所が組み、ドローン配達事業が立ち上がる可能性も否定できない。規制がないことによって、さまざまな分野でポジティブに変わりつつある。

 

>> 後編へ続く
 

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